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相続不動産が田舎の場合

2023.04.17

箕面市、豊中市にお住まいのお客様からご相談いただいた相続不動産の対応をしております宅地建物取引士の田中です

【1】相続不動産が田舎の場合

 

(1)田舎の不動産はまとめて売ろう

相続する不動産。首都圏や、近畿圏の都心にある不動産とは限らないですよね。日ごろ、何千万、何億という高額な不動産を見慣れていると田舎の不動産の取引ってどうなるのか、ピンとこない方も多いのではないでしょうか。『どうすればよいんだろう?親戚も疎遠だし、誰も住まないし、代々暮らしてきたところだけど売るしかないなぁ。売れるんだよね?売れるのかな?ほんとかな?』ご心配されることと思います。

 

先日、田舎の相続不動産について、ご相談がありました。岡山北部の約5万人が暮らす地方都市。このお客様、実家が町の中心地でお店を営んでいましたので、その土地と商店にしていた家屋があります。また、自宅は別にありましたので、郊外に自宅が1軒。それと田んぼが約1000㎡ 別荘地もありました。結局建てずに土地の状態のママですが、それが2区画。なんやかんやで、合計11筆。総面積は約2500㎡。さていくらで売れるのか?本当に買い手はいるのか?調べてみました。実際に地元で扱っている会社によると町中の商店は、かろうじて買い手が付く可能性がある。あとは、買い手が付く可能性はほぼないだろうとの見解です。

 

あちこち可能性をもとめてアプローチしてみると、こういったケースで、ぜんぶひっくるめてまとめて、買い取る会社があり、見積もり金額を出してもらいました。その結果・・・・・全部まとめた買取価格は▲200万との回答。

 

ん?▲って??そうです!200万払っていただけたら、まとめて引き取りますよ!という内容でした。

これでもよい回答だそうです。というのは、町中の商店がなければ、金額提示なし。辞退という結論だったのです。

結局このお客様、200万払って、すべての不動産を引き取ってもらいました。子供たちに迷惑かけるわけにはいかないとの思いでした。

 

(2)放棄できるのか

そんな田舎の不動産、さらに自分のあと、子供たちに相続させるわけにいかないし。いっそ、放棄したい!

相続が発生したときに、相続放棄をすれば、田舎の不動産のことで困ることはありません。相続が発生した際に、相続放棄するというのは、一つの選択肢です。相続放棄がみとめられると、はじめから相続人ではなかったという立ち位置になります。当然、不動産以外の他の財産があっても、相続人の立場では無いので要注意です。相続放棄を本当にする場合、この手続きの前に、なんらかしらのアクションが、相続を単純承認したとみなされることがあります。たとえば、故人の口座からお金を引き出して支払い行為をしてしまうと、その行為は単純承認にあたります。詳しくは3月14日付の記事をご参照ください。専門的なことがたくさんありますので、司法書士にご相談の上、慎重に進めることが重要です。

 

ちなみに、相続人の家族が集まった際に、『なにもいらないから』と云うだけでは、相続放棄ではありませんのでご注意ください。

 

(3)田舎ぐらしの需要を狙った空家バンク

過疎化が進む全国の地方自治体は、なんとか住民を増やそうと『空き家バンク』制度を整備しています。これはどのようなものかというと、まず、売りたい、貸したいという人から、不動産情報を市町村に情報提供します。各市町村は、情報をデータベース化。『田舎暮らしをしたい、田舎で商売したい』といったことを考えている人はその情報をみて、買うとか、借りるという事を実現させます。市町村からは補助金、助成金などが出るという仕組みです。

 

力の入れ具合、補助金や助成金の制度などは、各市町村によって違います。対象となる不動産がある市町村のホームページをぜひ見てください。