✤モノに対するそれぞれの想い
豊中市、箕面市、大阪市を中心に相続手続きのサポートをしております、生前整理アドバイザーの土井です。
ブログへのご訪問ありがとうございます。
私は長年にわたる生前整理や遺品整理の現場で様々なクライアント様にお会いしてきました。
それぞれの現場には毎回ドラマがあります。
家族間の考えの違いから言い争いになる場面もあれば、
辛そうな表情で泣きそうになりながら処分される方もいらっしゃいます。
反対に一気に迷いもなく勢いよく何でも処分される方もいらっしゃいます。
モノにまつわる想いやエピソードは本当に様々。
同じ家族であっても、一つのモノを前にして、それぞれの想いは交錯します。
ここに一つの実際にあった現場の様子を例にしながら、
スムーズな生前整理の為には欠かせないコミュニケーションについてお伝えします。
✤遺品整理と生前整理を同時にされたМ様
クライアント様の名前はМ様。
お父様が亡くなり残されたお母様を娘であるお姉様が引き取られることになったお客様からのご依頼案件です。
「父親の遺品整理と母親の生前整理を同時にしてほしい」と息子さん(М様)ご夫婦からのご依頼でした。
見た目はシャキシャキとしてお元気そうに見えたお母様でしたが、
軽い認知症にかかられており一人で生活をするのは心配なので娘さん家族と同居されることになったのです。
ご両親は何と2つもマンションンのお住いをお持ちでした。
どちらも広い間取りで、かなりのモノの量でした。
1つは両親のお住いで、もう一つはお母様の絵画教室として使っていらっしゃったのです。
これから住む娘さんの家にあるお母様の為のスペースは限られています。
当然、思い切ってモノを処分しなくてはなりませんでした。
✤まずはサクサクと遺品整理からスタート
最初にとりかかったのはお父様の遺品整理から。
衣類や本が中心でした。
М様やお姉様のご主人様とは体型も好みも違うので、こちらはほとんど処分となりました。
本の整理では、珍しくて今では手に入らない部類の美術全集もあったので一部は残されました。
しかし保管場場所の問題からかなりの本を処分なさいました。
このようにお父様の遺品整理理はスムーズに進みましたが、大変だったのはお母様の生前整理の片付けでした。
✤あれもこれも勿体ない!踏ん切りがつかないお母様
2軒分のモノの分量を合計を100%と考えたとして、お父様のモノの割合は約10%、
夫婦共通のモノ(食器、布団、小物類)が30%くらい。
そして残りの60%は圧倒的にモノが多いお母様のモノでした。
押入れやクローゼットから出しても出しても出てくる衣類。
沢山の家具類。お仕事で使っていた絵画教室関係のモノ。
大小さまざまな大きさの額縁に入った絵画作品や大量の材料。
それらが整理されずにあちこちに山のように置かれていました。
まずは衣類から始めました。戦後の混乱期を生きてこられたお母様は捨てる事が苦手。
「勿体ない」と何度も言いながらも減らしていかれました。
✤捨てたくない母、捨てて欲しい嫁、その間で迷う娘
М様の奥様はお嫁さんの立場です。
しっかりと現実を見据えて正しい判断が出来る聡明な方でした。
つまり、これから住むお母様のスペースを考えると思い切って処分しないと大変なことになるとお考えでした。
そのお考えは正しいです、間違ってはいません。
しかし、お母様は頭では分っていても気持ちがついていきません。
なかなか「捨てる」作業にいかないのです。
そして、娘さんは2人の間でオロオロとなさっています。
捨てるのが正しいとは分っていても、お母様の気持ちも感じ取っていらっしゃるので、はっきりとは言えない様子でした。
さて、このような場合、どのようにすればうまく進むのでしょうか?
そこで大事なのは「コミュニケーション」なのです。
つまりよく話を聴くことです。
時間がない時にそんな悠長なことをして大丈夫?と思われるかも知れませんが、
こんな時こそ「急がば回れ」でじっくりとお話を伺うことが良い結果に結びつくのです。
✤モノにまつわるストーリーをしっかりと聴く
そこで私達現場のスタッフが対応した方法は、お母様にお話を聴くことでした。
どうしても捨てるのに迷っている衣類がありました。
そのような場合、無理に捨てさせようとはせずに
「このお洋服にはどんな思い出がありますか?」
と質問を投げかけてお母様にお話をしていただきます。
この時に大事なのは「しっかりと聴く」です。
片手間に聞き流すのではなく「聴く」です。
しっかりと話を受けとめて頷き、共感しながら聴きます。
「そうですか、そんな思い出があるのですね。」
「大事にされてきたのですね」
そんな事を何度か繰り返すうちに、お母様の中で変化が起きました。
話を聴いてもらえただけで満足されるようになったのです。
すると自分の方から「もうこれは着ないわ」「これは捨てます」と口にされるようになったのです。
モノのエピソードを伺いながら、同時にお母様の気持ちも大事に受けとめて差し上げることには大きな効果があります。
✤生前整理は親子のコミュニケーションの場
生前整理を親子でする場合は、このように淡々とただモノを捨てるだけの作業にはしないで、
時には昔話に花を咲かせながら楽しく進めるのが望ましいです。
もちろん全てのモノに対してそのようにするといくら時間があっても足りないかも知れませんが、
可能な限りコミュニケーションを取ると結局はうまくいくのです。
今まで知らなかった親のエピソードが聴けます、
モノに対する親の想いや苦労を知ることもあります。
そのように昔の話をしながら、自然に親への感謝の想いを口に出来たとしたら幸せな生前整理になるのではないでしょうか。
「昔はお母さんすごく頑張っていたよね」
「一生懸命育ててくれたよね」
「お母さん、有難う」
と子どもから言われたら、きっとそれからの親子関係は前より更によくなると思います。
✤親子で幸せな生前整理を
親御さんが元気なうちに幸せな生前整理をスタートさせませんか?
早めにしておく事によって、それからの親の人生も子ども世帯の人生ももっと軽くなって輝くと思います。
ご自分達だけでは作業が大変な場合、どうぞ縁満にお気軽にお問い合わせください。
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あなた様もご家族様も幸せに、円満に笑顔で過ごせるように全力でサポートさせていただいております。