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税理士から見た相続の相談先の選び方

2023.02.07

相談先は専門家一人で良いのか?

豊中市、箕面市、大阪市を中心に相続手続きのサポートをしております、税理士の蔵重です。

ブログへのご訪問ありがとうございます。 

 

税理士として、相続に関しどんな税理士を選べば良いですか質問を受けます。相続税は税務の申告の中でも専門性が高く、扱っていない税理士がいるくらいの税目なので、選ぶべき”税理士事務所”と問われれば、相続税専門の税理士事務所に依頼すべきだと答えます。

 ただし、相続に関する専門家は、税理士だけではありません。相続トラブルの専門家は弁護士、相続登記や家族信託など分割に関する専門家は司法書士、行政に関する手続の専門家は行政書士です。それぞれ相続を専門としている方々の知識・経験を税理士一人で担うことはできません。

 従って相続の手続の際には、相続人の方は、相続に関する専門家を探し、各専門家のところにそれぞれ足を運ぶことになるのですが、相続が開始したのち相続に関する手続について相続人自身が追われていては、故人を偲ぶ時間を失ってしまいます。

 相続に関する各専門家を抱える相続の総合相談事務所に相談することが、スムーズに手続を済まし、故人を偲ぶ時間を失わない方法だと言えます。

相続に関する相談事を専門家1人にしてはいけない

 相続に関する税理士・司法書士など各専門家はそれぞれの分野の専門家であって、相続に関する全ての専門家ではありません。

 相続財産の分け方を相続人が協議することを遺産分割協議と言いますが、遺産分割協議についてサポートする各専門家の立場によって、それぞれ異なる見解を示すことがあります。

 以前セカンドオピニオンを頼まれたケースでこんなことがありました。他事務所の司法書士に分割協議を頼まれたケースで、その司法書士の判断で相続財産の全てを奥様一人に相続させていました。財産は夫婦二人で築きあげたものだから奥様に全部と言うと聞こえ方は良いですが、次の奥様が亡くなった際にかかる相続税の額は、一般的な分け方である法定相続分で分けたときに比べ一次相続・二次相続トータルで3,000万円も高くなる結果となりました。税理士のサポートがあればこんな指導にはならなかったはずです。

 結果、その司法書士に依頼した長男の立場はなくなり、相続人間の仲は険悪になってしまいました。

 相続の専門家と言っても知識も経験も様々です。決して一人の専門家だけに相談し、相続に関する結論を出してはいけません。弊所は相談窓口は一つですが、窓口で受けた相談ごとに、各専門家の手配をし、顔が見える形でサポートさせて頂きます。決して、相談窓口となる専門家一人で判断することはありません。

専門家の立場も異なれば、意見も異なる

 相続財産の分割協議は、各専門家の意見を聞いた上で決定すべきです。しかし、仲良く分けるために、税金を安くするために、故人の世話をした自分に有利に、など相続人一人一人の想いは様々です。にもかかわらず故人の残した財産は有限。相続人一人一人の望みを全て叶えることは出来ません。それぞれ立場や知識の異なる専門家がそれぞれ意見を提案しては、相続人の方は混乱してしまいます。

 弊所の専門家全員の想いはただ一つ、故人が一番大切にしていた家族の縁を守ることにあります。我々が遺産分割協議についてサポートさせて頂く際に、かけがえのない家族が仲良く分ける方法を逸脱することはありません。

税理士によって相続税額が変わる⁉

 相続した財産について、かけがえのない家族が仲良く分けることが大前提です。その上で節税対策をするというのが、弊所のスタンスです。

 相続税の申告は費用も高額になることも多く、できれば自身でと言う話も聞きます。

 しかし専門性の高い相続税の申告業務に対して相続人自身で申告をすることはお勧めはしません。

 税理士によって相続税額が変わるというのは、ご存じでしょうか?

 相続税の申告は、税理士100人いれば100通りの申告書・100通りの納税額ができあがると言われているくらい税理士によっても、経験・知識が問われる分野になります。

 特に相続税の金額に影響が大きいのが土地の評価です。経験と知識がものを言う分野なので、不馴れな税理士に依頼すると検討すべき減額要素が考慮されておらず、余分な税金を払ってしまうことは実際によくあるケースです。

 税の専門的な知識がない一般の方が自身で申告するとなるとなおさらです。

 相続税の申告が得意な税理士に依頼すると費用はかかりますが、以下のようなメリットがあります。

・負担すべき相続税の額を抑えることができる。

・税務署の調査リスクを抑えることができる。

・他の専門家との連携もスムーズなケースも多く、士業間で右往左往しなくてすむ。

 ※弊社は税理士だけでなく各専門家がご自宅にお伺い(オンラインの対応も可能です)し、本当の意味でのワンストップ対応が可能です。

・相続手続き全般について相続人の方のお手を煩わせないため、亡くなった方に対して想いをはせる時間を作ることができる。

・相続人ではない第三者としての立場から客観的な判断をするため相続人の方々の意見がまとまりやすい。

人生の総決算である相続の問題 安さだけで税理士を選んではいけない

 相続とは亡くなった方の財産の総決算であり、ご家族の縁にとっても人生のターニングポイントです。

 相続の問題について謝った舵を切ってしまうと過度な税金の負担のみならず、ご家族の縁を失ってしまいかねません。

 その大切な人生のターニングポイントについて、他よりも安いと宣伝する税理士事務所に飛びついてしまうのは本当に危険です。

 確かに低料金で相続税の申告を依頼できるのは非常に魅力的です。

 しかし、本当に低料金の税理士事務所に依頼して大丈夫なのでしょうか。

 あまり知られていない事実ですが、税理士であれば税金全てについて精通している訳ではありません。医者の分野でも内科・外科など専門分野があるように、税理士にも専門分野があるのです。

 複数ある税法科目の中、3科目だけ受かれば税理士になれてしまうので、難易度の高い相続税について何の勉強もせず税理士になっている方の方が多いのです。

 また、相続税は、亡くなった方の遺産を引き継いだ相続人がいれば、誰もが課せられる税金ではありません。亡くなった方に一定額以上の遺産があればその遺産を引き継いだ方に課せられる税金です。従って相続税の申告をする方も限られており、平均すれば税理士1人につき年1件程度しか案件がないので、相続税の知識もなければ、申告の経験もない税理士はたくさんいます。

 相続税の額を抑えるため、財産の評価を下げる、税務調査が来ないよう細かく調書を作成する、家族がトラブルにならない様相続人の方々のそれぞれの気持ちと意見を尊重しながら遺産の分割の仕方を考える、どれをとっても時間がかかるのが相続税の申告です。

 経験も知識もなければ、相続の問題を作業ごとにし、時間をかけず簡単に申告書を仕上げてしまうことは可能です。

 結果、過度な税金の負担となったり、税務調査を招き入れる結果になってしまっては税理士報酬を安くした意味が全くありません。

 過度な税金の負担を避けること・ご家族の縁を守ることを考えると相続について経験豊かな専門の税理士に依頼することが大切です。