最新情報

離婚と相続の関係

2022.12.06

1 両親が離婚していても、お父さんが再婚しても、子供は相続できます。

豊中市、箕面市、大阪市を中心に相続手続きのサポートをしております、弁護士の藤原です。

ブログへのご訪問ありがとうございます。

 

日本でも離婚が多くなっています。小さいころに両親が離婚して、お父さん、お母さんと離れて暮らしていても、お父さん、お母さんが亡くなれば相続できます。

 

親権と相続とは別の問題です。両親が離婚して、母親が親権者となって、母親と暮らしていた子供も、父親が亡くなれば、父親の遺した財産を相続できます。父親が再婚しても前妻の子供が相続できることに変わりありません。

2  前妻の子供の相続分

父親と母親が離婚して、母親に育てられた例を挙げて、子供の相続分を考えてみたいと思います。

 

 ① 父親が再婚しなかった場合

父親が再婚しなかった場合、相続人は、前妻の子供だけです。すべての遺産は、前妻の子供が相続します。

 ② 父親が再婚して、再婚後、子供が生まれなかった場合

この場合、前妻の子供と再婚後の配偶者が相続人になります。

相続分は、再婚後の配偶者が2分の1、前妻の子供が2分の1になります。

前妻の子供が2人いる場合は、再婚後の配偶者が2分の1、前妻の子供が各4分の1になります。

 ③ 父親が再婚して、再婚後、子供(異母兄弟)が生まれた場合

この場合、再婚後の配偶者が2分の1の割合で相続できることは、①と変わりありません。

前妻の子供と再婚後に生まれた異母兄弟の相続持分は平等に取り扱われます。

前妻の子供と再婚後に生まれた異母兄弟は各1人ずついる場合、前妻の子供に4分の1、異母兄弟に4分の1が相続されます。

 

3 遺言書と遺留分

幼いころ、両親が離婚し、父親が再婚し、再婚相手との間に子供が生まれた場合、父親が再婚相手や再婚後に生まれた子供に全部相続させる遺言書を作成している場合があります。

この場合、前妻との間の子供は遺産から、全く何ももらえないというわけでありません。

相続人には遺留分が認められています。遺留分は、法定相続分の半分です。

先ほどの例では、遺留分を侵害されている前妻の子供は、法定相続分以上に相続した前妻や再婚後に産まれた子供に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求することができます。

 

4 認知と相続

認知をされたけど、両親が婚姻しなかった場合、この場合も両親が結婚した場合と同じ相続持分を相続できます。母親が妊娠したけど、事情があって、結婚しなかった場合、父親が別の女性と結婚し、結婚後に産まれた子供と平等に同じ相続分が認められています。

5 養子縁組と相続

養子も実子と同じ相続分で相続できます。

連れ子がいる女性と結婚した場合、養父の実子と同じ相続分で相続できます。

ここで注意しなければならないのは、この女性と離婚した場合です。離婚したら、自動的に養子縁組も解消されるわけではありません。養子縁組については、別個に離縁の手続きを行わなければなりません。

養子縁組について、離縁をせずに、別の女性と結婚し、子供が生まれた場合、養子と再婚後の実子が同じ相続分で相続することになります。父親が亡くなり、相続手続のために、戸籍を集めてみたら、養子の存在に気づき、トラブルになることがあるのです。

 

6 まとめ

当たり前ですが、相続対策は生きている時にしかできません。事情があって離婚したり、結婚できなかったりすることは仕方ありません。自分が亡くなった後に、子供たちが揉めないように対策をとっておくことは、離婚する親の責任かもしれません。