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相続手続 弁護士、司法書士 どっち?

2023.04.03

豊中市、箕面市、池田市、大阪市を中心に相続手続きのサポートをしております弁護士の藤原です。

 

相続手続を専門家にお願いした時に、ネットで調べると弁護士事務所、司法書士事務所、税理士事務所が検索で上がってきます。

税理士事務所は、相続税に関する手続きを行う事務所だと予想がつきますが、弁護士事務所と司法書士事務所、どちらにお願いしたら良いでしょうか。委任する事項ごと、異なりますので、各手続きごと説明していきます。

 

 

第1 弁護士と司法書士の違い

大きく違うのは、代理権の範囲になります。

司法書士も弁護士と同じく過払金請求や未払い賃料、建物明け渡し請求などの訴訟の代理人となることができますが、その訴額が140万円以内で簡易裁判所の管轄のみという制限がついています。

したがって、遺産分割の調整を行う等の交渉案件を扱うことはできません。

 

第2 相続人に調査のための戸籍の収集、財産調査

相続人に調査のための戸籍の収集、財産調査については、弁護士、司法書士いずれでも行うことが可能です。

交渉を要することがなく、代理権の範囲が問題となることがないからです。

 

 

第3 相続放棄

消極財産が多く、相続放棄を行う場合、弁護士に相続放棄を依頼すると、裁判所への申立に弁護士が本人の代理人であることを記載して、申立を行います。

司法書士は、書類を作成しますが、本人の名前で、申立を行います。

申立に対する裁判所からの問い合わせについて、弁護士に依頼した場合、代理人である弁護士に問い合わせが来ます。

他方、司法書士に依頼した場合、本人に直接問い合わせがきます。

被相続人の債権者との対応も、弁護士に依頼した場合、弁護士が対応します。司法書士が対応した場合は、本人が行わなければなりません。

 

 

第4 遺産分割協議、遺産分割調停

調停を行う前の事前交渉においても、交渉を要することから、司法書士ではなく、弁護士に依頼しなければなりません。

司法書士に相続手続に依頼し、遺産分割の話がまとまりそうもなく、紛争性を帯びてきた場合、調査業務を行った後、司法書士は、以後の分割手続きについて、弁護士に依頼するようアドバイスをするが通常です。

司法書士に遺産分割に関する交渉の代理権がないからです。

 

第5 相続登記

不動産の相続登記について、司法書士が行います。

弁護士が行うことも可能ではありますが、登記業務に慣れていない弁護士が多く、相談を受けても、知り合いの司法書士事務所を紹介することが一般的です。

 

 

第6 まとめ

相続手続を専門家に依頼する時に、司法書士、弁護士 どちらに依頼するか悩まれた場合、目安になるのは、相続人間で、分割がスムーズに行くか、揉めそうかで判断すべきです。

弁護士の着手金の中に、調査費用が含まれることが多く、司法書士に調査依頼をしてから、弁護士に遺産分割調停を行うよりは、費用面の節約ができます。