相続の問題について誰に相談したら良いか分からない
豊中市、箕面市、大阪市を中心に相続手続きのサポートをしております、税理士の蔵重です。
ブログへのご訪問ありがとうございます。
相続に関して何から始めて良いか分からず、市役所等役所に行っても、自分の部署以外のことは分からない方がほとんどで、要領を得ないことも少なくありません。
ここでは相続に携わる士業の方々が相続に関してどんな仕事をしているのか簡単に説明します。
① 弁護士
(相続トラブルのエキスパート)
相続人同士で遺産分割協議をしても意見が合わない場合、相手が遺産を隠していることが疑われる場合など相続問題・裁判調停に発展しそうな相続手続き、紛争性が高い遺産分割協議であれば、弁護士に相談することをお勧めします。
ただし、いきなり疎遠になっている方(相続人)に対し弁護士の方から連絡してしまうと無用なトラブルになりかねません。弁護士選びには相続問題に強く、ご遺族に寄り添える弁護士であることが必要です。
② 税理士
(相続税申告の専門家)
税理士は相続に関する税の専門家、相続税の申告や亡くなった方の確定申告(準確定申告)の必要がなければ、税理士に依頼する必要はありません。
しかし、相続税の申告が必要かどうか分からない方は多いです。遺産が3,000万円以上ある場合、まず税理士に相続の手続に関する相談をされることをお勧めします。一般的に相続手続きは相続税の申告の前に行政書士や司法書士が行います。しかし、どのような手続したり、書類を集めたら良いか税理士に相談せずに相続手続を進めてしまうと、いざ相続税の申告が必要となったとき、再度書類を取り直したり、過度な税金の負担のある分割になってしまったりします。
また遺産が3,000万円を超えることがわかっているのであれば、相続が開始する前に税理士に相続に関する相談をした方が良いでしょう。将来、相続が開始したときに相続税がかかるご家庭であれば、相続税の対策をできるケースは多いです。
また相続税の申告は、税理士1人につき年1件程度しか案件がなく、相続税法の試験もパスせず苦手な税理士も多い分野です。相続税が得意な税理士に申告依頼しないと納税者にとって不利益にもなりかねないので注意が必要です。
③ 行政書士
(相続手続きの相談窓口)
行政書士は士業の中で業務範囲が広く、それぞれ得意、不得意があり、全ての行政書士が相続手続きに対応できるわけではありません。相続手続きを専門で扱っている行政書士とそうでない行政書士では相続手続きの進め方・段取りの良さ・提案力に圧倒的な差がでます。
相続手続きの窓口としての役割を担うケースも多いので、窓口の入り方を間違えると行政書士自身の仕事の範疇のみで、中途半端な手続きになりかねません。
行政書士の主な相続手続は以下の通り
・相続の手続の窓口として各種手続案内・相続コンサルタント業務
・相続人確定のための戸籍収集
・預貯金・株式など証券の名義変更などの相続手続き/残高証明の代理取得
・預貯金・株式などを中心とした財産調査
・遺産分割協議書の作成、不動産登記や相続税申告手続きを除く相続手続きの代行
④司法書士
(不動産登記の専門家)
司法書士は登記の専門家、ご自宅やその他不動産の名義変更が必要な方に頼りになる存在です。
特に2024年4月1日の相続開始から相続した不動産登記の義務化がスタートします。期限内に申請を行わなかった場合、10万円以下の罰金の支払いが発生します。
なお、相続登記の義務化は、施行日前(2024年3月31日以前)に相続の開始があった場合についても適用されます。未登記・放置のままでいると、10万円以下の罰金の支払いだけではなく、その後放置された家は近隣の方への苦情に繋がったり、後々不動産の所有権が下の世代、下の世代と渡っていき、細分化された相続人全員の意見をまとめないと処分できない事態にもなりかねません。
⑤銀行・信託銀行
(相続手続の総合案内所)
銀行や信託銀行は相続手続きの総合案内所になりますが、銀行や信託銀行が直接相続手続きを行うのではなく、提携している司法書士や税理士を紹介するかたちになり、司法書士や税理士に対する費用も別途かかります。従って士業だけで完結する相続手続きを銀行や信託銀行にわざわざコンサル料・相談料を払う分、余分な費用が発生します。
金融機関であるため安心感・信頼度は高いですが、費用は士業の先生方に直接依頼するよりも圧倒的に高いです。